近くの中学校では一学期の期末テストも終わり、生徒たちも、テストの答案を持ってきました。とくに数学の得点が良い生徒が多く、今回は、常盤中1年の「M」くんが93点、常盤中2年の「I」さんが93点、新宿中2年の「T」くんが94点、常盤中3年の「M」くん91点、新宿中3年の「S」くん94点でした。
とくに、常盤中2年の「I」さんは、英語も99点、その他、理科95点、社会92点と、5教科合計で462点、5科平均が92点を超える好成績でした。ふだん、一生懸命勉強している努力の成果だと思います。
そんな「I」さんも、テストでは、ごく簡単な問題を、ポロリと落としてしまいました。区立中学の定期テストは、基本問題をしっかり練習していれば100点満点が取れるはずなのですが、やはり「I」さんも、普段は簡単にできる問題で、ケアレスミスをやってしまい、少なくとも5点の失点がありました。
「I」さんの言うところでは、問題数が多くて、時間が足りなかったからだそうです。テストでは、与えられた時間内での、正確な処理能力が必要です。やはり大切なのは、フィギュアスケートのオリンピック選手と同じで、普段のトレーニングです。本番でだけ、上手くやれるものではありません。当たり前のことですが、普段の勉強中に、一つもミスをしない、そして本番でもミスしない、と確信できるまで、やるべきことを坦々とやることです。
以前に、5科で500点満点まであと2点という生徒がいました。私は、「I」さんには、この500点満点を、ぜひ達成してほしい、と心ひそかに期待しています。
テストで、平均80点の子、90点の子、100点の子では、はっきりと勉強時間が違います。80点の子が安定して90点を取れるようになるには、2倍の勉強量が必要です。さらに、90点の子が満点を取るためには、さらに2倍、3倍の勉強量が必要です。
得点できない子の共通点は、つい「手を抜いて」しまうことです。私は、生徒には日ごろから、勉強に関しては、「几帳面すぎるくらいがちょうどいい。」と言っています。「このくらいで、まあいいだろう。」ではダメです。「これだけやったけど、まだ心配…。」なくらいがいい。(個人面談で、いつも言っていることですが。)
さて、もうすぐ、夏休みです。毎日、新聞を開くと、塾のチラシが目立ちます。今のこの時期は、「夏期講習受付 !」のオンパレードです。多い日で、7〜8校もチラシが入っている日がありました。
私たちの塾にも、夏期講習だけ受けられますか、という問い合わせがあります。私たちは、夏期講習は、内部生だけに限定しています。
私たちの塾では、教室長の私を含めて、副教室長の順子先生と、勇希先生と、三人のプロ教師が指導の主体です。指導は個別ですから、教えられる生徒の数には限りがあります。夏休みは当然、授業数も多くなります。責任をもって教える、という観点では、内部生を教えるだけで精いっぱい…、というのが本音です。
私たちは、「たくさん生徒を集めればよい。」とは考えていません。夏期講習だけでも、講習費さえもらえれば、儲かると大歓迎の塾がほとんどです。
それもありかも、という誘惑もないではないですが、塾というのは、一か月かそこらで成果を上げられるような仕事ではありません。それに、需要はあっても、それをやると、夏休み中だけでも、アルバイトを増員しなければなりません。アルバイトの比率が高くなりすぎると、今度は指導の質が急速に低下してしまいます。
私は、長い目で見ると、一時的な利益よりも、指導の質を維持する、ということを優先した方がよい、と思っています。
最近は塾もフランチャイズで、「塾は儲かりそう。」と新規開業する塾も多い。塾は、玉石混交です。「前に通っていた塾が閉鎖になって…。」と言って、転塾の問い合わせにくる保護者の方がけっこういます。3〜4年前に新規開校して、チラシだけは立派な塾でした。「そんな塾に、どうして入ったのかなあ…。」と不思議に思うのですが、大手塾や、フランチャイズ塾の本部は、チラシ作りはとても上手です。
「ヤル気アップ」とか、「成績上げます」とか、塾なら当たり前のキャッチフレーズなのですが、バラ色のような広告ばかりです。広告、というものはそんなものです。口で言うのはたやすいですが、それを真に受けてしまう保護者の方も多いようです。
「今入ると、授業料○○パーセントOFF !!」なんていう、スーパーまがいの広告に、ついお得かも≠ニ惹かれてしまう方もいらっしゃるようです。(そういうのは、たいてい商品=授業、の中味が良くない。)
近くに競合塾ができるたびに、私たちの塾も一時的に生徒減となるのですが、二年、三年もすると、また生徒は戻ってきています。その繰り返しで、私の塾は、今年で32年になります。
塾は、生徒を教える仕事です。生徒が勉強ができるようになるコツは、「手を抜かない。」ことですが、先生だって同じです。コツコツと、辛抱強く教えること。失敗だってあります。経験には年月が必要ですが、それを積み重ねることで、指導の磨きがかかってくるものだと思っています。
〇経験を活かして、ひとりひとり、丁寧に、勉強のしかたを教えます。