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上智スクール 塾コラム

 高校生の勉強のしかた

 高校生の勉強の進め方

 高校生になると、いろいろな予備校からどっさりと案内パンフレットが届きます。予備校といえば、昔は浪人生のためのものでした。近年は、浪人生が減ってきたので、予備校の生徒募集のターゲットは、現役の高校生に移ってきました。

 浪人生の場合は、予備校は生活のリズムを乱さないようにできるというメリットがあります。一日中、家に閉じこもって勉強するとか、図書館の読書室で勉強するというのは、孤独でもあり、一年間勉強のリズムを維持するのは精神力がいることです。

 予備校に通えば、毎日決まった時間に授業があり、教室には同じ立場の浪人生がいて、自分も頑張らなくては、という気持ちもわいてきます。私も、浪人生の場合は、一年間の生活リズムを守るためにも、できれば予備校に通ったほうがよいと思います。

 しかし、現役の高校生、特に高校3年生の場合は、予備校を利用する際に注意が必要だと思います。

 現役生の場合は、普段も学校の授業があり、家に帰ってから勉強する時間は限られています。たとえば、学校の授業が4時に終わって、急いで家に帰っても5時にはなってしまうでしょう。

 5時から夜の12時まで、ぶっ続けで勉強できれば7時間ありますが、夕食の時間もあるし、お風呂に入る時間だってあります。1時間勉強すれば、その都度10分程度の休憩も必要です。どんなに時間をやりくりしても、せいぜい家で勉強できる時間は正味で5時間がいいところではないでしょうか。

 現役生にとって、この毎日の5時間は、一分たりともムダにできない、きわめて貴重な時間です。

 受験勉強で重要なのは、勉強したことを自分のものにできるかどうかです。

 よく言われることですが、「わかる」と、「できる」では違います。学校や、塾、予備校で習ったことをわかっただけでは、入試では得点できません。世界史の授業を聞いても、確実に暗記しなければ入試では得点できません。

 世界史の人名や、年代や、地名や、その他、暗記しなければならない事項は数千になります。授業で聞いて、ああなるほどと、わかる≠アとは簡単です。問題なのは、それを全部記憶しておかなければならないことです。

 予備校の利用のしかた

 高校3年の受験生で、予備校に行けば、行きたい大学に合格させてくれる≠フではないかと、錯覚する生徒がいますが、とんでもないことです。

 予備校に通っているだけで、勉強しているつもりになっている生徒がよくいますが、授業を聞いただけでは、どんなに名物講師の授業を聞いても、それだけでは絶対に実力はつきません。

 勉強で大切なのは、どれだけ反復し、復習できるかです。学校の授業も、塾・予備校の授業も、そのための材料≠ナしかないと考えるべきです。

 河合塾の模試や、ベネッセの進研模試で、高2の3学期までの段階で、偏差値が思うように上げられない生徒は、これまでに復習する力が足りなかった生徒です。偏差値を上げるコツは、何も難しい話ではなく、一に反復、二に反復で、これ以外にありません。

 高校3年生にとって、受験までに勉強できる時間は限られています。時間がない現役生にとって、学校にも通い、さらに予備校にも通うとなると、自分で勉強する時間(復習する時間)がなくなってしまいます。

 これまで勉強してこなかったから、3年生になって、「さあ、予備校に入って、勉強しよう。」というのは考え違いというものです。

 例えば、英語の入試問題は、長文ですが、これを読むには文法と構文の把握力、そして単語力が基礎になります。単語を覚えていなければ読めるわけがありません。

 しかし、英単語は、予備校の授業で覚えるものではありません。今までに学校のリーダーで出てきた英熟語や、単語集は、コツコツと繰り返して暗記する努力が必要です。これをしなければ、入試の長文はいくらたっても読めないし、入試問題は解けません。

 これは、教えてもらってできるものではなく、自分でやるしかありません。それを根気よく、できるか、できないか。合格する力に達する生徒と、そうでない生徒の決定的な違いはここです。

 よく予備校の案内パンフレットで、東大に合格した生徒の合格体験記が載っていますが、そのほとんどは開成や麻布、桜蔭や女子学院など、受験トップ校の生徒ばかりです。受験有名校以外の、普通のレベルの高校になると、予備校に行ったからといって、東大に入れる生徒はまずいません。

 都立高校では、最上位のトップ校でかろうじて数名、二番手校になると、高3で予備校に行く生徒は多くても、東大合格者はほぼ0人です。

 要するに、予備校に行ったから、学力が上がるのではなく、もともと学力の高い生徒が予備校に行って合格している、というのが本当のところではないでしょうか。

 予備校の案内パンフレットを見ると、「東大コース」とか、「早慶上智コース」とかがあって、その予備校に通えば、いかにも入れそうに見えます。しかし予備校に行って、難関大学に入れる生徒は、高校2年までで、基礎ができている生徒です。

 英語ならば、文法や語法の知識が定着しており、重要単語の数千はすでに覚えており、すでにMARCHクラスの大学ならば合格できる学力に達している生徒たちです。

 こういう生徒は、基礎力がついているので、「東大コース」や、「早慶上智コース」の授業で聞く入試テクニックは役に立つかもしれません。

 しかし、文法や語法の知識も身についておらず、単語も覚えていない生徒が予備校の授業を受けても、かえって時間のムダ≠ノなってしまいます。

 予備校のパンフレットには、こんなことは絶対に書いていません。まずしっかり文法や語法の知識を身につけ、必要な単熟語は覚えていなければダメです。

 そういう勉強は、聞くものではなく、やるものです。実力の基盤となるものは、これまでにどれだけしっかり基礎を固めてきたかです。いわば、これまでの勉強の総量がものを言っているのです。

 基礎を固めるには、時間が必要です。できる生徒は、高校2年までの間に基礎を蓄積している生徒です。

 学校で高校2年までに習ったリーダーの単語は全部暗記しているか。学校から覚えるようにと渡されている「英単語・熟語集」は暗記してしまっているか。文法の教科書は何度も繰り返して、相関語句の穴埋め問題や、分詞構文や仮定法の書き換え問題のパターンは覚えてしまっているか。

 そういうのは、入試ではほんとうの基礎で、難関大学ならばそんな易しい*竭閧ヘ誰でもできるので、ほとんど出ない…、しかし、それもあやふやなようだと、より高度な入試問題は、どんなに素晴らしい解法のテクニックを授業で聞いたところで、砂上の楼閣です。自分のものにはなりません。

 予備校の授業が役に立つのは、すでに基礎ができている生徒です。そうでない場合は、極端な話、ピアノでバイエルもできていない生徒が、ショパンのバラードを弾きたいと言うようなものです。予備校に行けば、すばらしい入試テクニックを伝授してもらえると思うのは、幻想です。

 というのも、予備校の授業は、確かに丁寧ですが、そのかわり一回の授業でできる勉強量はほんのわずかだからです。予備校で渡されるテキストを見てください。ページに余白の部分が多いことに気づくでしょう。問題量は多くありません。

 例えば、英語ならば、週1講座の一回の授業でできるのは、せいぜい3ページから4ページです。つまり、1週間にたったそれだけです。2講座とったとしても、その倍にしかなりません。

 予備校の授業というのは、このテキストに解説=″u師の授業がついているということです。丁寧な解説ではあっても、しかし、分量が少なすぎます。

 基礎が不十分な場合は、むしろ予備校に通うような時間的な余裕≠ヘないはずです。代ゼミがいいか、河合塾がいいか、予備校探しをする時間だってないはずです。一刻も早く、まだ身についていない2年までの基礎を固めるべきです。

 予備校の授業で教えてくれるのは、エッセンスですが、エッセンスだけでは実力にはなりません。何度も言いますが、まず2年までの土台をしっかり固めてください。

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